東アジアにおける〈書の美学〉の伝統と変容 神林恒道・萱のり子・角田勝久 三元社
A5判上製/504頁
「書は美術か否か」。小山正太郎と岡倉天心の論争を起点に、日中韓、そして欧米の研究者が「書く」ことの美を問う画期的論集。東西のまなざしの交差によって、“東アジアの伝統文化”を超えた〈書の美〉が立ち現れる。 (「東アジア文化都市2015新潟市」での国際シンポジウム報告集。日本語と英中韓の二言語表記)
東アジアにおける〈書の美学〉の伝統と変容 神林恒道・萱のり子・角田勝久 三元社
A5判上製/504頁
「書は美術か否か」。小山正太郎と岡倉天心の論争を起点に、日中韓、そして欧米の研究者が「書く」ことの美を問う画期的論集。東西のまなざしの交差によって、“東アジアの伝統文化”を超えた〈書の美〉が立ち現れる。 (「東アジア文化都市2015新潟市」での国際シンポジウム報告集。日本語と英中韓の二言語表記)
と素なぜ、書写・書道を学ぶのか――。
学校教育から成人教育まで、書写・書道の指導にたずさわる11名が、「言葉」「書くこと」「造形」をめぐって展開する「書」の実践集。学習者と指導者双方の学びが円環をなすことで、書における学びが、いわゆる「お習字」の枠を超え、国語、社会、美術、そして生涯にわたる学びへと連鎖していく――学びのあり方「学び観」を提示する。
「書って、なんだかよくわからない」への手がかりと
[目次]
まえがき/萱のり子 10
シンポジウム開催にあたって/神林恒道 26
[基調論文]書の美学――東西の美の間で/神林恒道 28
中国における書法の伝統
中国哲学における伝統の形成――文字学/加地伸行 46
〈流日半巻本〉により台北故宮博物院蔵《自叙帖》は懐素真跡に非ずを論ず/傅申 64
中国最大の奥書――579年に鐵山に刻まれた《石頌》/ロタール・レデローゼ 80
書法作品の中の運動と空間/邱振中 98
美的カテゴリーとしての逸品――中国芸術論における書から絵画へ/ヨーレン・エスカント 112
現代中国における書の実験――徐冰の作品を例として/劉悦笛 144
新潟の書の伝統
〈序論〉新潟の書の伝統/角田勝久 172
良寛の書の特質と魅力/角田勝久 192
近代習字教科書における菱湖流と顔法――文字の学びやすさに着目して/清水文博 198
會津八一の仮名書にみる伝統と革新について/喜嶋奈津代 204
江口草玄/松矢国憲 212
現代の日本の書を考える/野中浩俊 220
韓国・日本における書の変容
韓国のハングル書芸について――ハングル書芸の変遷と中国書法との関係/朴聖媛 228
韓国の芸術文化、その「モッ」の世界/閔周植 266
中国書法の影響と和様の書/島谷弘幸 296
和歌をつむぐ書――仮名の詩情/萱のり子 336
アメリカにおける日本の書のコレクター――意味を超越した理解/ジョン・カーペンター 364
戦後の日本前衛書道と欧米抽象絵画における余白の概念について/ジェーニャ・ボグダノワ 384
書と抽象絵画――1950年代の二つの実践/尾﨑信一郎 412
《共同討議》コンピュータ時代における書の可能性 436
パネリスト:下野健児/潘ファン(ネ+番)/閔周植/尾﨑信一郎/ジェーニャ・ボグダノワ/ジョン・カーペンター
司会:萱のり子
《ワークショップ報告》 交流と理解のために
新潟大学/東京学芸大学/奈良教育大学/安田女子大学 468
あとがき/神林恒道 494
著訳者紹介 498