[目次]
まえがき/萱のり子 3
序章 書を通しての「学びの還流」/萱のり子 12
1 今なぜ「書写」「書道」か 12
2 「学び観」を育む 14
3 本書の構成と各論における視点 15
4 学習指導要領との関連 20
第1部 定番題材の可能性
第1章 「意」を捉えて「生きる力」につながる学びへ ―〈顔氏家廟碑〉―/櫻井佑美 26
1 「生きる力」につなげる 26
2 経験することの大切さ 28
3 顔真卿〈顔氏家廟碑〉で学ぶ 30
4 「主体性」の意味に気づく 36
第2章 生涯にわたる継続的な書の学びへ ―〈初唐の三大家〉―/茂木絢水 38
1 「上手」から興味関心にもとづく学習へ 38
2 子どもたちが書道教室に通う理由 41
3 書の展覧会の可能性 42
4 大人の学びにみる課題 46
5 大人を対象とした「初唐の三大家」講習会 47
6 継続的な書の学習に向けて 50
第3章 古典を「真似ぶ」と生徒は「学び」に出会えるのか ―〈蘭亭序〉―/中村寿樹 54
1 書を学ぶ意義 54
2 高校で学ぶ臨書教材について 60
3 学びとしての書の在り処 67
第4章 「本気」に出会い「人間力」につなぐ ―〈蘭亭序〉―/小林真由香 74
1 書で「発信」 74
2 〈蘭亭序〉を通して新しい自分に出会う授業実践 77
3 「刺激」を授業に還元する 89
4 授業とはタイムカプセルを埋める作業 91
第5章 子どもの「もっと知りたい」が学びをつなぐ ―〈高野切〉―/富川展行 96
1 「書を学ぶ」とは 96
2 書写でつなぐ 教科間の架け橋 98
3 子どもたちの気づき×題材のもつ力 103
第6章 書文化のミステリーに出会わせたい ―〈高野切〉―/萱のり子 112
1 多様な視角を 112
2 形から何を学ぶのか 117
3 目標の設定と見通しへの意識 119
4 〈高野切〉を通して書文化のミステリーに出会わせたい 120
5 学習者の見方・感じ方から題材を通しての対話へ 126
第2部 新しい題材の発掘
第7章 未来へつながる学びのサイクル
―仙厓〈一円相画賛〉・榊莫山〈東大寺 世界遺産登録記念碑〉―/藤井美和子 130
1 子どもと毛筆との出会い 130
2 「学びのサイクル」を作る 133
3 「書写」の力を他教科に活かす 137
4 毛筆を活かした図画工作の授業 138
5 自分の思いを碑に刻す表現活動 139
6 指導者に「書写」の魅力を伝える取り組み 143
第8章 古典文学と書道パフォーマンスで時空をつなぐ ―〈枕草子・大鏡〉―/門口絵美 148
1 現代において「書写」「書道」を学ぶ意義 148
2 古典文学に表れる書を味わう 150
3 書道パフォーマンスで「生」を表す 158
4 昔と今がつながる楽しさから 163
第9章 「書くレポ」を通じて自分と向き合う ―青木香流〈ゆき〉―/太田菜津子 166
1 「何も思いません」 166
2 どのような題材、教材を選ぶのか 170
3 「書くレポ」をしよう! 173
4 自立した鑑賞者の育成へ 177
第10章 書と画で浮かび上がる多様な気づき ―仙厓〈花見画賛〉―/五十井玲衣 180
1 自分と向きあい、仲間と学びあう 180
2 自己発信力・自己決定力の基盤作り 182
3 絵と言葉をともに楽しむ新しい教材の開発 184
4 対話を重視した授業計画 188
5 学びあいの過程と活動内容の軌道修正 190
6 終わりなき対話 192
第11章 印を刻さない学びから広がる篆刻学習の可能性 ―〈描印〉―/北田創 194
1 鑑賞教育の重要性 194
2 印を読み解く面白さ 198
3 描印による授業展開 204
4 描印制作の具体的な内容と注意点 205
結「学びの還流」/萱のり子 211
コラム
書道の学びにおける「声かけ」 の役割について (茂木絢水) 52
肉筆は分身 (中村寿樹) 72
「ポテトチップスうすしお味」と「蘭亭序」 (北田創) 94
表現とは? (藤井美和子) 146
線質 (太田菜津子) 178
題材解説 220
題材と学びのキーワード一覧 215